「せ~らっ!」
ふいに名前を呼ばれて振り向くと、ドアップの夕哉くんがいた。
「わぁっ!?」
思わずのけぞってしまう。
「その反応を期待してた!」
いやいや、あたしで遊ばないでもらえますかね?
と、いうか…夕哉くん…なんか、メイクが…?
訝しげに見ていると、夕哉くんもその視線に気づいたようで…。
「ああ、ちょっと女っぽいでしょ。今回はコスプレするからね。俺はネコだから、たれ目かな?」
「コスプレ…」
「そっ。女装はないよ、それはそれでまた特集みたいに組まれるから、また今度。…期待した?」
…期待した?
なにを?
「女装できる~って、思わなかったの?」
なんで、女装できる~って……ああ!!
「た、確かに女性のメイクはできますけど!でも別にしたいとか…!というか、僕はメディア露出禁止です!」
「そんな必死にならなくても。…あーでも、千来は似合いそうだな、女装」
…これでも一応女なので。
「…女装することになったら、千来にメイク頼もうかなっ」

