夏休みの魔法



その場の雰囲気が、一気に変わった。



「答えろよ、今何て言った?誰が言った?」



静まり返った空気が、やけに痛い。



「…北斗くん、行きましょう。遅れます」

逃げたかった。


この空気から。




「誰が何て言ったか聞いてんだよ!!」


「もう、いいです…!」


嫌だ、ここにいたくない。


北斗くん、あたしなんてかばわなくていいの。

あたしだって、あなたを騙してる。



「…千来の頑張り、お前ら見てるんだろ?周りのやつらだってそうだ。陰で努力してるやつだっている」


誰も、何も言わない。

北斗くんの声だけが耳に響く。



「そういうやつらのこと認められねぇやつは、この世界で成功しない。…覚えとけ、仲間をバカにするやつは最低だ」



行くぞ、と声をかけられて、あたしは北斗くんの背中を追った。





…ガマン、してた。


あたしのことは何を言われても、耐えられた。





だけど、これは無理だよ。







「COLORFULだって、そんなに有名じゃないくせに」