夏休みの魔法


「わーいっ、オムライス!」

「そうよー、優来、好きでしょ」


お母さんが洗い物をしながら反応した。


お母さんのオムライスはすっごく美味しい!!


テーブルにつくと、前には希来がいて、もう半分くらいのオムライスを食べていた。


希来は未来にぃと違って色素の薄い茶色に近い色の髪をしている。

チャラそうに見えるけど、実際はすごく一途で優しい。


あ、ちなみにあたしの髪は真っ黒ね!




希来はあたしの方をちらっと見て、


「優来ねぇ、お帰り」


と言った。


「うん、ただいま。…いただきまーす!」


あたしはさっそくオムライスを食べにかかった。


「おいし~っ!」


やっぱりオムライス最高!


黙々と食べていると、未来にぃがテレビをつけた。


「なんかやってないかな…」


「この時間だと昼ドラでしょ」


「だよな…」


未来にぃはつまらなさそうにピッピッと番組を変えていく。


あたしはそれを見ずに、あと少しのオムライスを食べ終えようとした。


そしたら…


『はーいっ、俺がやる!』


テレビから、このセリフがとんできた。


「未来にぃ、ストップ!変えちゃダメ!!」