夏休みの魔法


「じゃあ…手を合わせて…」

夕哉のせーのに合わせて、

「「「「「「いただきまーすっ」」」」」」


「はい、どうぞ」

千来がおもしろそうに見ていた。



「うまっ!千来、料理うますぎだろ!母さんのよりうまい!」

コロッケをほおばった陽汰が、そのうまさに感動している。


「お母さんよりって…それはほめすぎですよ」

千来は苦笑しているけど、本当に美味しい。


「卵焼きも美味しいよ!」

「いいお嫁さんになるな!」


…お嫁さん…?


「!?ちょっ…蒼くん!?ぼ、僕は男ですよ!?」

千来は真っ赤になって怒る。


「あっ、悪ぃ!ついノリで…」

蒼はしまったというように笑った。


「蒼…さすがにお嫁さんはないだろう。千来がかわいそうだ」

「水月くん…それはフォローとして受け取っていいんですよね?」

「?それ以外になにがある」


いや…水月…。

今のは千来のつっこみが正しいと思うぞ…。