夏休みの魔法


「何がいいですか~?」

さっきより嬉しそうな声で、千来は聞く。


「何が得意?」

「え……得意!?ないです、そこまでうまくないんで!!」


あー、これ絶対焦ってる。

…なんか、顔みなくても声だけで千来の表情が分かる気がする。


「僕卵焼き食べたい!」

「…コロッケとか?」


空と蒼がそれぞれ注文した。

「卵焼きとコロッケですね!分かりました!」


コロッケって…油使うけど?

千来ってドジそうだから…ちょっと心配。





しばらくすると、いい匂いが漂ってきた。

「…千来が料理できるって、ちょっと意外じゃね?」

陽汰が口を開くと、みんな頷いた。


「まぁ…できる風には見えない、かな…」

「おっちょこちょいっぽいもんね~」

「空、お前…!俺がせっかくオブラートに包んだのに!」

「さすがリーダー!でも僕そんなことできない」



「…顔は女みたいだからな、できそうではあるが。行動を見ていると…そうでもないな」

「水月、それ女は料理できるっていう偏見」

「蒼はなんでそう突っかかるんだよ!」



二人と三人でギャーギャーなってしまったので、俺はほっといてキッチンへ行った。