夏休みの魔法


あーもう!

今男だからって、あーんは恥ずかしいよ!!


「うまっ!俺千来の卵焼き好き!」

にこっと笑う北斗くんに、さっきとは違う意味で頬が赤くなる。


「えー、北斗ばっかりずるい!僕も食べたい~」

「あ、はいどうぞ」


「おい待て、空。それだと千来の食べるものがなくなるだろ」

甘える空くんに、水月くんは大人の対応をする。


「いえ、僕はいいので…」

「ダメだ。ただでさえそんなに少ないのに…。お前、倒れるぞ」


…いや、あたし女なんで、これで普通くらいです。


「ちぇ~っ。仕方ないなぁ、今度作ってきてよ」

「はい!」


じゃあ明日はみんなの分作ってこようかな…。








こうして、みんなで過ごす一日目は終わった。


みんなは優しい。


一緒にいて、それがすごくよく分かった。





…あとは、北斗くんが、さっきみたいに本当の感情を表に出してくれるようになってくれれば…。
















あたしはまだ知らない。

この先、あたしが…あたしとCOLORFULの関係が、どう変わっていくかなんて。



そして、あの人のことを、あたしは何も考えていなかった…。