夏休みの魔法


「…迷惑なんかじゃ、ありません」


「千来?」



「……北斗くんの問題に首突っ込むのは悪いと思います。僕は何も知らないから。でも…僕、だって…ずっと北斗くんを見てきたんです、憧れてきたんです!」


北斗くんを知ってからこの二年間。



あの日を忘れたことなんてなかった。


北斗くんが、忘れていようとも。



「役に立ちたいと、話を聞きたいと、そう思うのは、北斗くんにとって迷惑ですか…?」



お互い、あの時とは立場が変わってしまった。


もう芸能界に入るか迷っていた北斗くんじゃない。



それでも、あなたはまた悩んでる。


また道を分からないでいる。


だったら、もう一度手を差しのばすから。

もう一度と言わず、何度だって。


あなたが迷ったら、何度だって救おう。




だって、あたしはあなたに言ったから。







『あなたの一番最初のファンだよ』