夏休みの魔法


「えーっと…。じゃあ、俺たち付の見習いってことで。…マネージャーみたいなことしてもらうけど、いい?」

夕哉が遠慮がちに切り出した。


「はい!分からないことが多いですが、よろしくお願いします!」

「うん、よろしく」


「ねぇ、なんて呼べばいーい?」

空が小首をかしげて木崎くんに聞く。

「なんでもいいです!」


うーん、としばらく悩んでいた空は、

「じゃあ千来ちゃん!女の子みたいだし!」

「え、僕女っぽいですか!?」

木崎くんはぎょっとしたように身じろぎした。


「まぁ…可愛いほうではある」

「え、水月くんまで!?」


水月…木崎くんのこと気に入った?

って、あれ?


「俺たち、自己紹介した?」

水月も驚いていた。

「してませんけど…?」

「なんで名前知ってるの?」