夏休みの魔法


隣の部屋へ行くと、合格者たちはみんな集まっていて、社長と話していた。

「これから、大変だと思うけど頑張れよ!」


社長は男の人なんだけど、たまに副社長の女の人のときもある。

あ、夫婦だよ。



話し終わったみたいで、俺たちにあいさつして帰っていく。

でも、木崎くんは残っていた。


「おーい、COLORFUL。紹介するからこっちきて」

「はい!」


社長と向き合っていた木崎くんが、こっちを向いた。

「この子のこと、今日からめんどうみてやれよ」


「…え!?」


驚く俺たちに対して、社長はにこやかに続けた。


「いやぁ、実はちょっと複雑な子でな。お前たち付の見習いにするから、好きに使ってやってくれ。メディア露出は禁止だから」


複雑な子?

俺たち付の見習い?

メディア露出禁止!?


「…いや、いろいろと分からないんですけど…?」


夕哉がつっこんだ。

「そのうち分かるから、ま、よろしく頼んだ。じゃな!」


社長は笑って出て行ってしまった。



…マジですか。