夏休みの魔法


すべての審査が終わり、合格発表。


「えー、では合格者は…No.1、No.5、No.……」


No.5…。

受かってる…。


「よかったな、受かったぞ、あの子」


夕哉がぼそっと話しかけてきた。

「ああ」


よかった、受かってくれて。



「…以上です。呼ばれた人は隣の部屋へ来てください」

これで、10人にしぼられた。


隣の部屋へは俺たちも行く。

社長との話があるんだ。



…受からなかった子たちが、悲しそうな顔をしていた。

そしたら、陽汰がマイクを貸してもらって。


「今日はありがとうございました。残念な結果だった人、大丈夫です!俺も一回落ちてます。またチャレンジしてくれることを願ってます!」

明るい笑顔で、励ました。


陽汰のこういうところ、すごいと思う。


俺にはない明るさが、うらやましい。