ただ今の時刻、午後5時40分。
夏は日が長く、今の時刻でも十分明るい。
今日は朝早くから仕事だったから、帰りが早い。
家のドアを開け、中に入る。
「ただいま」
「おかえり~」
すぐに出迎えてくれたのは、俺の大切な人。
「今日は早かったね、お疲れさま」
にこにこと微笑む彼女の左手薬指には、シルバーの指輪。
俺の左手薬指にも、同じものがはめてある。
「朝早かったからね。あ~、疲れた!」
リビングに入ると、テレビの画面が一時停止してあった。
そこに映っているのは、18歳の頃のCOLORFUL。
それぞれ、メンバーカラーの星のピンをつけていた。
それは、今もみんながつけている、大切なもの。
「また懐かしいものを…」
「まあね~、ファーストドームコンサートだから、たまに見てるよ」
「ほかのは見てないの?」
「もちろん見てるよ。今のもね」
俺はテレビの前のソファーに座り、一時停止されていたものを再生した。
画面の中の人間が、動き出す。
隣に座った大切な人の肩に、そっと手を回す。