「ダンスや歌は好き。だけど注目あびて大勢の前でしゃべるとか、華やかな場所は…好きじゃない。なんで俺、芸能界入ったんだろうね?」
「俺頭良くないからさ…うまく言えないけど。なんとなく、寂しいんだと思う。芸能人だからっていう特別扱いが。同じ人間から、手の届かない存在になるのが寂しくて、ちょっとつらい」
「分かってんだよ、才能のある、ないの差は大きいって。どんだけ頑張ったって、大きな才能の前では、なにもかもが終わる」
メディアの前では完璧な笑顔を作って。
苦しさなんて、つらさなんて、微塵も感じさせない君。
血のにじむような努力をして、そして手に入った居場所。
それでもそこにいる意味が分からない君。
いつも自分に厳しくて、だけど人にはとても優しい君。
造っているような自分と、ありのままの素の自分。
そのギャップに悩み苦しむ君。
人前では決して弱音を吐かなくて、強がっている君。
そんな君を、支えたいと思った。
愛おしいと思った。
「君を必要として、すべてを受け入れたい人間が、ここにいるよ」
だからもう…一人で抱え込まないで。
君を理解してくれる、してあげられる人間がいるから。
君は、一人じゃない。

