夏休みの魔法


『…優来、こうやって形にしたのには、意味があるんだ』


「え?」


『…今日、木崎さんにいつか優来をもらうつもりですって言ったよな』


「うん」


何を言うんだってびっくりしたけど。


『あれ、本気だから。本気で、優来をもらうから』


いつになく真剣な声。


それって…。


「プロポーズ?」


『…立派な大人になったら、もう一回言うけど』


「…今日付き合い始めたばっかりだよ?」


『それでも。これからなにがあっても、俺は優来以上に好きになれる人なんていない。そう誓えるから、言った』


優来は、違うの?


笑いを含んだ、でも返事を怖がっているような声。


「…もちろん、あたしもそう思ってるよ」


この人以外いないってくらい、大切で、大好きな人……。