「これって…」
心臓がドキドキうるさくて、手の震えがとまらない。
…自惚れても、いいのかな…?
あたしに向けて書いてくれたんだって。
あたしはすぐに北斗くんに電話をかけた。
『はい』
二回目のコールで、北斗くんの声が聞こえた。
「北斗くん?」
ついついクセでそう聞いてしまった。
『俺にかけたんだから、俺以外に出る人いないでしょ』
クスクスと笑い声が聞こえる。
『で、どうした?』
「うん、あのね、読んだよ」
『どうだった、あれ、優来のこと想って書いたんだけど』
「恥ずかしかった。あたし、自惚れてもいいのかなって」
北斗くんに想われてるって。
『当たり前じゃん、俺の彼女なんだから』
彼女、その言葉が嬉しい。
「…ありがとう。気持ち、すごく伝わってきた」
『まあ、ラブレターだから』
「えー、じゃあラブレターが全国のファンに読まれるんだ」
…あんまり気分よくない。
『拗ねてるの?』
「べっつに!」
『あっははは!ほんとに素直じゃないね~。…いいじゃん、優来だけに向けたんだって知ってるのはファンの中で優来だけなんだから』
「……うん」

