夏休みの魔法


あたしは部屋に戻ると、届いていた荷物を片付け始めた。


「あー、ひさしぶりだな、この部屋」


全部片付け終わったら、ベッドにダイブした。


「…あ、北斗くんの作詞したの…」


読まなきゃと思って持ってきて、机に置いたままだった。


起き上がって机から紙をとる。


そしてまたベッドに腰掛けた。


「…題名、さっき決めたって言ってたよね」


二つ折りにされていた紙を開く。


並んでいるのは、少し書きなぐったような北斗くんの字。


「…I to Y…?」


どういう意味だろ。


普通に訳したら、「Yへの私」。


…意味が分からない。


どんな意味が込められているか分からなかったから、とりあえず詩を読んでみることにした。