夏休みの魔法


COLORFULが帰って、家にはひさしぶりの家族水入らず。


「優来ねぇ、北斗くんに迷惑かけるなよ?」


「それ希来が言うこと!?」


弟に恋愛に首突っ込まれるあたしって…。


「心配しなくても大丈夫だぞ~、希来。北斗はしっかりしてるからな!」


お父さんは希来の髪をぐしゃぐしゃしながら笑っている。


「ちょっと、ボサボサになる」


「おっ、なんだなんだ、ちょっと会わないうちに反抗期か?」


「…ちょっとじゃなくて、もうだいぶ会ってなかったと思うけど」


希来はすねて、ぷいっと横を見た。


…うん、確かにちょっとじゃないね。


「希来~、お父さん返して!」


お母さんが、お父さんに抱きつく。


「どうぞどうぞ」


「……子どもの前でいちゃつかないでよ…」


未来にぃは呆れた顔をして笑った。


「いいじゃない、ひさしぶりなんだから」


「ごめんな、これからはどれだけ忙しくても家に帰ってくるよ」


「あなた…」


……もう嫌だ、この両親。


完全に二人だけの世界だ…。


「…あたし、部屋戻るね」


「俺も勉強してくる」


「そうだね、二人にしておこうか」


あたしたち兄弟の意見は一致し、部屋に戻ることにした。


それを両親が気づいていたのかは定かではない。


…ずーっといちゃついてたからね!