夏休みの魔法


それからみんなでご飯を食べて、たくさん話した。


みんなといるのは楽しくて、時間が過ぎるのはあっという間だった。


気づけば、針は9時をさしていた。


「もう帰らないといけないんじゃない?」


お母さんのその一言で、COLORFULは帰る支度をしはじめた。


「それじゃ、またね」


「うん、また遊びに来てね。いつでも待ってるから」


「ああ。…俺たち、頑張るからな」


「最高のグループなんだってこと、証明してみせるから!」


そう言うみんなの表情は、きらきらと輝いていた。


「うん!あたしも頑張るよ!」


夢を、叶えるために。


少しでもCOLORFULに近づくために。



「…優来、これ。俺が作詞した」


北斗くんが渡してくれたのは、一枚の紙。


「題名はさっき決めた。読んだら、蒼に渡しておいてくれればいいから」


「分かった」


「……普通の恋人同士みたいなことはできないかもしれないけど、気持ちは変わらないから」


北斗くんが、真剣な瞳で言ってくれる。


「…信じてるよ」


距離がどれだけ遠くても。


会えない日が続いても。


あたしは、北斗くんを信じてる。


それに、北斗くんを好きっていう気持ちは、変わらないから。