夏休みの魔法


「…蒼と優来は、あとから話を聞こうか」


北斗くん…目が笑ってないデスヨ。


「さあさあ、ちょっと早いけどご飯にしましょう。北斗くん、今さらで悪いんだけど、食べてって」


「あ、ありがとうございます」


「家に連絡しておいてね」


「はい」


北斗くんが電話している間に、あたしは未来にぃと希来のところへ行った。


「…おかえり、優来」


「ただいまっ。…あれ、希来背伸びた?」


「そりゃ、まだ成長期だし」


「なんかどんどん高くなるね」


ちょっとうらやましいな~。


「勉強頑張ってた?」


「うん」


「もう優来の高校受かるかもってとこまできてるよ」


「ほんと!?あたしもね、夢決まったんだ!」


「へぇ、どんな夢?」


未来にぃが、優しく聞いてくれる。


「お店を持ちたい!」


「いいじゃん、やってみたら」


「ふぅん、頑張って」


「うんっ!」


やっぱり家族っていいな。


無条件に、あたしを大切にしてくれる。


意見を尊重してくれる。


…北斗くんも、そうなんだけどね。