夏休みの魔法


「はい、次質問、憧れの先輩北斗」


「え、そこで俺当てちゃう!?」


「北斗、声出てる」


嘘っ!?

水月に呆れたように注意された。


え、え~、どうしよう。


「…えっと…趣味は何で、どんなことに活かしたいですか?」



「しゅ、趣味…?」

あ、困っちゃった?


…頑張って考えてくれてるんだろうけど。


表情、変わりすぎでしょ…おもしろい。

困った顔、あれでいいじゃん、でもやっぱダメだ…。

アフレコできそう。


まさに百面相…。


みんなが笑いをこらえてる。


でも…ヤバい、限界。




「あはははははっ」



いきなり笑い出した俺を見て、みんながびっくりしてる。

それでも気にしてられなかった。


「ちょ、マジヤバい…顔変わりすぎ…!あははっ…」


俺は笑いがおさまるまで笑って、涙まで出てきた。


「ごめん、笑って。続きどうぞ」




初対面の人の前でこんなに笑ったの、いつぶりだろ…?