夏休みの魔法


「木崎千来、13歳中1。得意なことは料理です」


微笑む程度に笑って、木崎くんは言った。


「へぇ、木崎って言うんだ!木崎さんと一緒だね」

空が言っている木崎さんとは、俺らの先輩で、俺の憧れの先輩。


「……はい」


「…?」

少し、変な間があった気がした。


でも気にする時間もなくて、質問が繰り出される。


「憧れの先輩は誰ですか?」

尋ねたのは、蒼だった。


木崎くんは、にこっと笑って

「如月北斗くんです」

と言った…。





「…俺?」

「はい」




…なんで、俺…!?




嬉しいけど、驚きのほうがデカい。