夏休みの魔法


「…そうだね」


「あたし、今は分からないことだらけだけど、進んでいくうちに何か見つかるって信じてるんだ」


そう言った女の子は、とても強い瞳をしていた。


「立ち止まってちゃ、そこでおしまいだからね。自分の可能性を、自分でゼロにすることだけはしたくない」


「……強い、ね…」


ダメだ、そんな強い瞳で、俺を見ないで。


「なんか言った?」


「なんでもないよ」


…俺がどうにかなってしまいそうで、怖い。


「あっ、じゃあ、約束するよ!」


急に君は、立ち上がった。


「え?」


「あたし、あなたのファンになる!それなら、もう怖くないでしょ?」


にこっと笑った顔は、太陽に照らされて、とてもまぶしかった。


「あたしが、一番最初のファンだよ。ずっと応援してるから」