夏休みの魔法


蒼いじりが一段落ついたところで、最後に手紙を渡した。


「そっか、これでお別れなんだね」


「…うん」


「寂しくなるね~」


「何言ってんだよ、普通に友だちでいればいいじゃねぇか」


「いや、蒼それは…」


「そっか、そうだよね!蒼に案内してもらって家に遊びに行けるし!」


「そうだな、アドレス消すなよ!」


陽汰くん…思いっきり消すつもりだったんですけど…。


アドレスなんて持ってたら、会いたくなっちゃうから。


「…友だちに、なってくれるの…?」


恐る恐る聞くと、みんな笑って頷いてくれた。


「ありがとう…。やっぱりあたし、みんなと会えてよかった。COLORFULを好きでよかった。これからも、ずっと応援してる」


「おう!ずっと見ててくれよ!」


「僕たちも頑張るから!」


「ファンでいてくれると嬉しい」


「こちらこそありがとう、優来」


「夕哉くん…今、名前…」


びっくりして、思わず口元を手で覆った。


「友だちの名前、呼んじゃダメ?」


にこっと笑う夕哉くんに、あたしはブンブンと首を振った。


「嬉しい…」


これで、気軽に会えるのは最後。


「本当に、たくさんの思い出をありがとう」