夏休みの魔法


ついに、No.5の子の番になった。


その子は直前まで考え込んでいたようだけど、いざやるってなったら、吹っ切れた顔をしていた。



そして、それと同時に。



空気が、変わった。





相手を罵っているのだろうか、大きく開いた口。


力強い、射るような鋭い瞳。



終盤の仲直りでは、表情は一変して、涙ぐんだような顔になる。


最後には、ふわりと。



まるで、女の子のように、笑った。






「……似て、る…」



呟いた俺の声は、幸いみんなには届かなかった。