夏休みの魔法


千来。


冷たくあたってごめんな。


ほんとは分かってたんだ。


自覚したくなくて、負の感情を表に出した。


千来を、拒んだ。


こんな感情を抱くのは、あの女の子だけだと決めていた、というか、そう思っていたから。


だけどそんなこと、もういいんだ。


俺の、千来へのこの想いは確かだから。


…伝えることは、きっとないけれど。


今は、ただ。


「千来っ!」


ただ、少しだけ。


「北斗くんっ…」


この想いに、浸らせて。