夏休みの魔法


メイク室を出ると、北斗くん以外のCOLORFULがいた。


「千来!?」


一番に気づいたのは、蒼だった。


「すごい、ほんとに女の子みたい!」


「空くんもですよ!?」


「可愛いね~、似合う」


「北斗、気づくかな?」


夕哉くんが、撮影中の北斗くんを見た。


…なんだか、あんまり調子がよくなさそう。


カメラマンさんに言われていることをこなせていないみたい。


ずっと見ていると、目があった。


北斗くんが、目を見開く、そして。


一瞬、とても冷たい目をした。


それは本当に一瞬で。


次の瞬間………


あたしが嫌いな、綺麗な顔をして。


カメラに向かって、北斗くんは微笑んだ。