夏休みの魔法


そんな不安を抱えつつ、スタジオへ向かった。


「おはようございまーす、COLORFULです。今日はよろしくお願いします!」


「お願いしま~す!早速こっちにきてください」


女性スタッフさんが、みんなをメイク室へ案内した。


そこで待っていたのは…


「あら~、お久しぶりね!」


「桜木さん!?」


あたしは驚いて声に出してしまった。


「覚えててくれたの、嬉しいわ」


にこにこオネェ言葉で話す、桜木さん。


いやいや、そう簡単に忘れられる人じゃないよ…。


「桜木さん、今日は千来がメイクしてくれるんですか?」


夕哉くんが尋ねる。


「そうよ。でも千来ちゃんにしてもらうのは唇とアクセサリーだけよ。さすがに全部任せるのは難しかったから」


そりゃそうだ。


あたしなんてただの女子高生。


素人もいいとこだ。


「千来ちゃん、やってくれるわね?」


「もちろんです。頑張ってしっかりやらさせていただきます!」


COLORFULをより綺麗に見せれるように、精一杯やろう。