夏休みの魔法


北斗くんの態度が変わったことに、蒼は気づいている。


それでも、何もしないでくれている。


変に気遣うことはなく、今まで通り接してくれている。


そんな蒼の強さが、うらやましい。


あたしにもそんな強さがあれば、今こんなに、傷つくことはないのかな。


……ううん、これでいいんだ。


傷つけばいい。


もっともっと。


これがあたしのしたことなのだと、この身を持って知ればいい。


逃げたいだなんて思わない。


痛いけど、すごく痛いけど、痛いなんて言わない。


辛くても泣かない。







……ただ、ひとつだけ。


こんなあたしが、願ってもいいのならば。














もう一度、あなたの素の笑顔が、見たいです。