夏休みの魔法


「お疲れさまでした~、今日は上がりです!」


「お疲れさまでした!」


今日の撮影は終わって、木崎さんが近づいてきた。


「最後までいてくれたんだね」


「はい、とても勉強になりました!ありがとうございました!!」


「それはよかった。…そうだ、もう夜だし、ヒマならご飯行く?奢るよ」


「えっ!?それは申し訳ないです!」


急な申し出に、つい慌てた。


「あはは、ヒマじゃないなら、無理しなくてもいいけど。行きたくない?」


…そんな風に言われては、こちらの負けだ。


「行きたいです…」


「それでよし!後輩なんだから、甘えておけばいいんだよ」


そう言われて、千来と二人、頭をぐしゃぐしゃされた。


「わっ!?」


話に参加していなかった千来までされたから、変な声が出ていた。


「じゃあ、楽屋行こうか」


にこにこしながら、木崎さんは歩いていった。


その後を、俺と千来はついていった。