夏休みの魔法


それから頭の良さ悪さについて言い争いをしていた。


「じゃあ蒼これ解けるの!?」

「上等だ!見せてみろよ!」


あたしが見せたのは、数学の課題。

応用問題のうちに入ると思う。


「……はっ…」


あ…蒼が冷や汗かいてる。


「分からないんでしょ、いいんだよ、素直に言っちゃえば」


「……バカ、男がこんなとこで躓くわけねぇだろ!」


「大丈夫だよ、それ解けなくたって蒼は生きていけるから」

「それ誉めてるの、けなしてんの!?」


「うーん、誉めてる半分けなしてる半分」


「おい!」


…ああ、なんだか懐かしいな。


中学のころまでは、こんな風にアホらしいことやってた。


それでも、蒼が芸能界に入ると言った中学三年の春。

すべてが、変わった。


蒼は宣言通りSTART事務所に入り、会える時間は減っていった。