夏休みの魔法


「…希来ってさ、ほんとシスコンだよな」


「うん、あたしもちょっとそう思った」


ツンデレとシスコンって…。


いろいろ危ないと思う…。


お姉ちゃん、希来の行く末が不安だよ…。


…なんて、希来だしあんまり心配してないんだけど。


進路のことも、将来のことも。


「…そういえばさ」

「うん?」


「お前、高校の宿題とかどこに置いてあるんだよ?北斗、机の上見てたけど」


ああ、それは…


「机の引き出しの鍵ついてるほうと…ベッドの下」


「は!?お前ベッドの下とか危ないだろ!」


とかいいつつ、蒼は座っているところの下を探っている。


「おーおー、俺たちより難しそうな問題だな」


「そりゃあ、ね。学校違うし、普通科だし、芸能人みたく忙しくないし」


「…お前、頭いいんだよな~」


「うん、蒼よりはいいと思う」


「ひどっ!」


え、だって本当のことじゃーん。