夏休みの魔法


ご飯を食べ終わって、リビングでゆっくりしていた。


「で、手紙」

ああ…忘れてた。


「部屋にある~」


取りに行こうとしたら、蒼もついてきた。



部屋に入り、机に向かい、引き出しを開ける。


「あ、あった」


「おー、サンキュ」


蒼はベッドに腰掛けて、手紙を読み始めた。


…読み始めたといっても、たいしたこと書いてないから、すぐ読み終わった。


「…なんだよ、これ」

蒼が苦笑するのも分かる。


『優来ねぇ、しっかりやっていますか。蒼くんに迷惑かけてませんか。宿題は終わりそうですか。
俺はとりあえず優来ねぇと同じ高校にいけそうです。まあ優来ねぇで行けたんだから、当然だけどね。

…俺がなんて言えばいいか分からないけど、優来ねぇは優来ねぇでいいと思うから、残り少し、頑張って。

                  希来』