夏休みの魔法


…でも、まさか気づかれかけてるとは…。


「…まずい、よな」

「うん…」


あたしが北斗くんと…みんなといられる期間はあと少し。


それまで、バレないといいんだけど。


「…もしバレちゃったら、どうしよう。どうやって説明すれば、蒼に迷惑かからないだろ」


「お前なぁ…。こんだけ巻き込んでおいて、今更俺に迷惑?ふざけんなよ」


はぁっとため息をつかれた。


「…ごめん、最初から巻き込むべきじゃなかったんだよね。あたしの問題だった。それに、冷静に考えればこんなことおかしい、お父さんのことを分からせるにしても他に方法が…」

何を…言っているんだろう。

今更こんな言い訳…。


「優来」


少し、怒った声。


あたしは思わず俯いた。


今、蒼の顔を見たくない。