……なんで、木崎さんの家族写真を千来が持っている?
なんで、なんて考えておきながら、答えは見つかってるも同然だった。
でもそんな答えを、認めたくなかった。
認めてしまったら、俺はどうすればいい?
二人して、俺たちを騙していたのか?
…認めたくない、嫌だ。
普通に考えればありえないことだろ?
千来と木崎さんが…親子、なんて。
しかも、千来は女の子、なんて。
写真に写っていた子どもは、三人。
年齢なんて…すぐ分かる。
千来は兄が二人だと言った。
千来がお母さんに抱かれている子だと仮定しても、おかしい。
兄と姉になるから。
だったら。
千来は、女の子…。
しかもさっきの電話、「希来」と表示してあった。
俺たちが前に会ったことのある千来のお兄さんのことを、千来は「未来にぃ」と呼んでいた。
もし「希来」がお兄さんだったら、表示も「希来にぃ」とするだろう。

