「すみません、終わりました…って、北斗くん!そんなに机見ないでくださいよ、恥ずかしいです!」
いきなりドアが開いて、千来が入ってきた。
「あっ、ああ、悪い」
俺はとっさに、手に持っていた写真を背に隠した。
「特になにもないでしょう?」
「普通よりも少ない」
「ははっ、やっぱり」
いつ千来にバレるかとひやひやしているのに、千来は全く気づかない。
「あ、もう5時だ。ご飯作らなきゃ…。食べていきますか?」
「いや、俺はいいよ。妹待ってるし」
「そうですか。蒼くんはどうしますか?」
「俺はここにいる~」
「分かりました、なら作りますね!」
そう言って、千来はまた部屋を出て行った。
俺もそれに続く。
手には、写真を持ったまま。

