夏休みの魔法


しばらくゲームに没頭していた。


結果はほとんど千来の勝ち。


強すぎだろ…。


「これでも負けちゃう人がいるんですよね…」


千来がぽつりと呟いた。


…誰だよ、そいつ。


どんだけゲームやりこんでるんだよ…。


「あ、もう4時ですね」


「早いな~。なんかする?ゲームも疲れたし」


「あ、俺千来の部屋見たい!」


「蒼くん!?僕の部屋とか、汚いですよ!?」


「いーじゃん、見せてよ」


嫌がる千来に対して、全く引く様子のない蒼。


「……少し待っててください」


ついには千来が折れて、部屋を片付けに行ったらしい。


「…なんでそんなに部屋見たいの」


「なんとなく?COLORFULのは知ってるし、あとは千来かなーって」


「あっそ…」


とか言いつつ、俺も気にならないといえば嘘になる。


…まあ、他人の部屋とかちょっと興味あるよね。


決して変態じゃないよ、そこ誤解されるととても困る。