楽屋に戻ったら、ちょうど俺の取材の番だった。
千来は隅っこで、取材の終わった夕哉たちと遊んでる。
「じゃあ、北斗くん。今回のテーマは“時間”なんですけど、今をどう思ってますか?」
出される質問に、思った通りに答えていく。
自分をさらけ出すのは大嫌いなクセに、思ったことをただ挙げていくのはあまり苦じゃない。
「はい、では最後です。もしも過去に戻れるなら、北斗くんはいつに戻りたいですか?」
「……過去…?」
戻りたい、時…。
そんなの決まってる、決まってるんだけど…。
その時に戻ったら、俺はメンバーと仲良くなかった。
そんなの、今となってはすごく嫌だ。
「…過去かあ、どうだろう、悩むな~」
「だよね~、俺もそれ悩んだ!」
いきなり乱入してきたのは、蒼。
「お前…入ってくんなよ」
「ひどっ」
とか言いつつ、ちょっと助かった。
全く、蒼は空気読めてるのか読めてないのか…。

