売店の前、千来が見えた。
声をかけようとして…とっさに柱の影に隠れた。
千来の横に、木崎さんがいた。
どうして隠れたのか、分からない。
でもなぜか…今二人の前に行ってはいけない、そう思った。
二人は深刻な顔をしていた。
何を話しているんだろう、まさか、まだ千来は木崎さんを嫌っているんだろうか。
そう思って、聞き耳をたてる。
「…もし、COLORFULに。嫌われたとして、忘れたいと思われて。それでも、ずっとファンでいる」
……え…?
今の、千来が言った…?
タメ口とか、そんなのは頭になかった。
俺たちが、千来を嫌う…?
忘れたいと思う…?
なんで、そんなこと…。
「…全部話して嫌われたって、お前は一人じゃない。蒼は、絶対お前の味方でいてくれるだろ?」
「…うんっ」
笑顔で頷く千来とは対照的に、俺は頭が混乱した。
全部話すって、何を?
蒼は絶対味方でいる?
千来と木崎さんはどういう関係?
千来と蒼は?
千来は、俺たちに、嘘を吐いている…?

