夏休みの魔法


ご飯を食べ終わって、それでも千来は帰ってこなかった。


「あー、絶対迷ってるな」


蒼が呆れたように言った。


「俺、電話するよ」


スマホを取り出して、木崎千来を選択する。


すぐに繋がって、売店にいるって言われたけど、どうせ帰りも迷うだろうと思ったから迎えに行くことにした。


「ってことで、俺行ってくる」


「北斗は最後のほうだから、まあいいか」


「いってらっしゃーい!」


他は電話中にもう取材が始まっていたから、水月と陽汰に送り出されて、俺は千来のところに向かった。