ー北斗sideー
千来がお弁当を忘れて、売店に行っている間に俺たちはお昼を食べていた。
この日は偶然にも2人ずつにわかれてて、俺は夕哉と食べた。
「…北斗」
「ん~?」
俺は口にご飯を含みながら、夕哉を見る。
「…千来が、雑誌見て言ってたんだけど」
「うん」
夕哉にしては歯切れが悪いな~と思いつつも、特に気にせず口を動かしていた。
「……あの子、北斗の作ってる顔…分かるんだな」
…………は?
「なに、言って…」
俺は完璧にやってきた、分かるのはメンバーだけ…だった。
…そう、「だった」。
すべては、過去形。
「千来、全部見抜いてた。それで言ってた。…北斗の作った顔は好きじゃない、嫌いだって」
俺は、頭を殴られたような感覚に襲われた。
「…嫌い、か…」
分かってたはずなのに。
作った顔なんて、わかる人には不気味に写るって。
千来はそういうの、嫌うはずだって。