夏休みの魔法


「なるかっ!」


「大丈夫、思った通りにやればいいんだよ。…あ、あと…学年は中1だから」


蒼が思い出したように言う。


「中1!?なんで」


「優来の身長じゃあ、高2はムリだから。中1だったら通るだろ」



…あたしの身長は158。


別に小さくないとは思うけど。




「…分かった」




「できたっ」




あたしが返事をしたのとほぼ同時に、未来にぃの声がした。



「おおっ、さすが未来にぃ!優来、どっからどうみても男!」


「それ誉めてんの?けなしてんの?」


「誉めてんの!」


そうですか…。





長かった髪はショートカットになった。


軽い…。








これで、すべての準備は整ったと思った。





のに。












「優来は今日から夏休みの間、一人暮らしだから♪」








「はぁぁぁああ!?」