夏休みの魔法



「…なあ、千来」


夕哉くんが何かを言いかけて、なんですかと言おうとしたとき…楽屋のドアが開いた。


「たっだいま~」


入ってきたのは、空くん。

その後にみんなが続く。


「おかえり。遅かったね…じゃあ、千来に教えてあげようか」


…なにを…あっ!


社長と話したこと…!



夕哉くんが立ったから、あたしも立つ。


みんなと向かい合って…。







「俺たち、作詞させてもらえることになりました!」







夕哉くんが、満面の笑みでそういった。




「…作、詞…?」


驚きで、何も言えない。


「千来~?大丈夫か?」

北斗くんが、顔をのぞき込んでくる。


それでようやくはっとした。


「すごい、おめでとうございます!!」


COLORFULが作詞…!

卒業が近づく気配。


「一人一人書くんですか?」

「そっ。大変だけど、すっげぇ嬉しい」


蒼が笑う。


「初めてだもんな~。わくわくする!」

陽汰くんは、やる気満々だ。



すごい、すごい!


あたしまで嬉しいよ…!


「千来、アドバイスよろしくな」

そう水月くんに言われた。


「僕が!?素人ですよ!?」

「それでいいんだよ。聞いてもらうのはファンなんだから」


夕哉くん…確かに正論。


「最高の歌、作ってみせるから」



北斗くんが、頭をポンポンとしてくれた。




「楽しみにしてます!!」