夏休みの魔法



ガチャッと音がして、扉が開く。


びっくりしたけど、ノックがないということはCOLORFULだろう。


入ってきたのは、夕哉くんだけだった。


みんな一緒かと思ったら…ちょっとびっくり。


「みんなは、なんかそれぞれどっかいっちゃった」


表情に出ていたのか、夕哉くんが笑って教えてくれた。


「そうですか。…何の話だったんですか?」


「みんなが来るまでの秘密~」


ニヤッと笑って誤魔化されてしまった。


「じゃあガマンします…」


「ほんと、千来は百面相だね…。…あれ、何見てたの?」


夕哉くんがあたしの隣に座って、手元をのぞき込んでくる。


「今月発売の雑誌です。置いてあったので…」


「ああ、どうだった?」


どうって…感想言えばいいのかな…?



「みんなかっこいいですね」

「ははっ、そこ!?」


え、違ったの!?


「まあ、嬉しいけど。…表情、とか。どうかなって」



ドキッとした。


北斗くんのことを、言ってもいいのかって。



「千来?」


表情に出てしまっていたんだろう、夕哉くんが不思議そうに見てくる。