三人はすぐ仲良くなって、しばらく話していた。
「千来くん、お兄ちゃんと仲いいの?」
「うーん、仲いいっていうより…なんて言うんだろ」
石榴からの質問に、うーんとうなっている千来。
「え~、なに、千来俺と仲良くないと思ってたの?うわ~、ショックだなぁ」
わざとらしく、そう言ってみる。
「えっ!?そんなんじゃないんですけど!仲いいって言っていいならそう言いたいんですけど、そうじゃなくて…!」
焦る千来がおもしろいから、もう少しイジメてやろう。
「ふーん…じゃ、なに?仲良いわけじゃないんでしょ?」
「なんていうか…先輩に対して仲いいって言っていいのか…!」
ああもう、男の子のクセに可愛いなぁ。
「で?結局千来にとって俺はどんな先輩?」
「憧れで、大好きな先輩です!」
言った後で照れている。
…大好きな先輩、かぁ…。
「憧れってだけでも、信じられないくらい嬉しかったのに」
大好き、なんて言われたら…。
「え?なんて言いました?」
さっき呟いた言葉を聞き返してくる。
「いや、なんでもない」
そう言って、俺は笑った。
千来は不服そうにしてるけど。
…もし、もしあの女の子が、俺の中から消えてしまっても。
千来が、COLORFULがいてくれる。
だから、俺はきっと大丈夫だ。
夢から離れて、現実を見ても。

