夏休みの魔法


スマホをいじっていて、ふと千来のことを思った。


中学生だったよな…。

ヒマかな、友達と遊ぶかな。


少し悩んで、俺はメールしてみることにした。


メール作成画面にして、内容を打つ。




『今日ヒマ?』


それだけ打って、千来に送った。


…あまりにも簡単すぎただろうか…。


でもいいよな、千来だし。



三分くらい待ったら、音楽が鳴った。

設定してあるのは、木崎さんの曲。


メールを開くと、


『ヒマです!』


それだけ書いてあった。


返信画面にして、また打つ。


『じゃあ家来ない?妹たちいるけど、千来がいいなら』


今度はすぐに返ってきた。


『いいんですか!?嬉しいです( ´艸`)』


その文面に、思わず笑った。


「絵文字使うとか…可愛いなぁ」



『今から来る?俺は構わないけど』


スマホに表示されている時刻を見ると、10時30分。


『行きたいです!』


『分かった、ならサンライズスタジオ来て』


『了解です(`・ω・´)』


そこまででメールは終わった。


…千来って、結構絵文字使うんだ…。


ちょっと女の子っぽいって思ったのは、俺の中だけにしておく。



「ちょっと出かけてくるから~。すぐ戻るよ」


妹たちにそう言って、俺は暑い外に出た。