話しすぎたから、時計はもう11時近くをさしていた。
「お父さん、寝なくていいの?明日仕事じゃない?」
「そうだな…。でも、優来が先お風呂入っておいで」
「え、でも…」
お父さんのほうが疲れてるだろうから、少し戸惑う。
「いいから」
「…分かった」
「お風呂は沸かしてあるから」
お風呂場へ向かうあたしの背中に、未来にぃがそう声をかけた。
湯船につかって、息を吐き出した。
あー、やっぱお風呂入んなきゃやってけないよな…。
って、こんなこと考えるなんておっさんか!
…ひとりで突っ込んでもおもしろくない…。
希来がいたらな~。
いつもは馬鹿にされてる感じだけど、いないといないで寂しい。
…兄弟って大事だなぁ…。
……そういえば、希来は夢ってあるんだろうか。
ふと、そんなことを思った。
何気に考えてそうだな…。
そしたら、あたしだけなにも考えてないのか。
それもそれで嫌だな。
やりたいことを、見つけたい。
この夏、自分がどう生きたいかを、見つけたい。
せっかく与えてもらった機会だもん、有意義に使いたい。
この夏で見つけれたら…あたしも…
北斗くんに、近づけるかな…?