夏休みの魔法


『…あのさ』


「うん?」


『優来、北斗のこと好きなの?』


……は?


「あたしが、北斗くんのこと…?」



好き…?


「いやいやいや、確かに好きだけど!それは恋愛としてでは…」


『恋愛としてだろ、どう考えても』


…そんなきっぱり言われても…。



え、え?

嘘でしょ?


だって、一番のファンで、ずっと応援してくって決めて、大好きで。


でもそれはファンとしてで、恋愛としてではないと…思って、た、のに…。


『…まあ、まだ時間はある。木崎さん…お父さんのことを解決してから悩めよ』


「……うん…」


そっか、まずはお父さんだ。


「今日、ちゃんと言うよ」


『おう!俺はどんなことあっても、優来の味方だからな!』


「…ありがとう」




いつだって、あたしは蒼に、周りの人に支えられてる。


あたしも、いつかちゃんと返せるかな…?