ー優来sideー
COLORFULが帰ってしまったから、家にはあたしと未来にぃとお父さんだけになった。
どうしよう、どうしよう。
何を話せばいい?
何から話せばいい?
さっきまでは平気だったのに、みんながいなくなった瞬間、心臓がバクバクいいだした。
何も話したくない、怖い。
あれだけ酷いこと言っておいて、今更?
今更、何を言い訳のように言おうとしてるの?
嫌だよ、怖いよ…。
あたしは、玄関に突っ立ったまま。
お父さんは未来にぃと話してる。
「優来、こっちおいで」
未来にぃの声にさえ、過剰に反応してしまう。
恐る恐る顔をあげると、未来にぃが微笑んでいた。
「夕飯。作っておいたから、食べるだろ?」
「……うん」
「じゃあ早くおいで」
「………うん」
未来にぃは、あたしが話すことを知ってるんだろうか。
いや、知ってるはずはない。
それでも、未来にぃの優しさがとても嬉しい。
優しいから、泣きそうになってしまう。
頑張らなきゃいけないのは、これからなのに。