夏休みの魔法



「お疲れさまでした~!」


収録も無事終わり、楽屋へ戻って着替えた。

千来は楽屋の外にいたいと言ったので、外にいる。


…なんだか深刻な顔をしていたけど、大丈夫か…?

不安にも思ったけど、早く着替えなきゃいけなかったから、気にすることはできなかった。









「やっぱみんなでなんかやるの、楽しいな!」

陽汰が嬉しそうに言う。


「そうだな、いろんなことが身についていってると思うし」

「もーっ、なんで水月はそんな真顔で言うのさ!もうちょっと楽しもうよ!!」


「空…水月はクールなんだから仕方ないだろ。…っつてもまあ、俺らといるときはそんなにクールでもないけど?」


「黙れ蒼。俺はもともとクールなんかじゃないぞ」


…そういうツンとしたとこがクールなんだろうね、きっと。


と思ったけど、言わない。


「…まあ、みんなで成長して、みんなで卒業できたらいいなって思うよ」


夕哉の言葉に、みんなが一斉にそっちを向く。


夕哉は、優しく笑ってた。

俺たちが一気に見たせいか、


「え、俺なんか変なこと言った?」

ときょとんとしていた。


「…なんでもっ。みんなで卒業したいなって思っただけ」


俺が笑うと、みんながつられて笑った。





こんな風に、俺たちの笑顔が、見ている人たちを笑顔にしていけるように。


幸せになれるように。



まだまだ、頑張っていかなきゃいけないな…。