ー北斗sideー






「大丈夫、千来のことは、俺が守るよ」






気がついたら、こんなことを口にしていた。





どうしてか、全く分からない。


でも、それでも。




守りたいと、思ったんだ。



千来が来てから、俺が守られてばっかりだった。



先輩なのに、頼って、甘えて。




不安定なことを誰かに悟られたくなかった。


だから必死で自分をつくってた。



バレないように、いつでも冷静に、感情に左右されないように。




…それなのに、千来のあの瞳を前にすると、何もかもムダになる。


すべて、見透かされてる。




そんな、気がしてた。