夏休みの魔法



「あーっ、やっと休憩!」

「疲れた~、けどやっぱ楽し~」


リハーサル開始から二時間。

真剣にやっていたから、そのぶん疲労もたまってるだろうな…。


「お疲れさまです!飴なめますか?」


「おーっ、欲しい!疲れたときには甘いものだよなぁ」

あたしの手に乗った飴を、陽汰くんがとっていく。


「他にも味ありますけど、いります?」


聞いたところ、みんな欲しいといったので全種類出してみた。

…そんなに多くないんだけど。


レモン、ミント、りんごにみかん…それといちごミルク。


あたしはいちごミルクが好きだなぁ、甘いし。


「じゃあ俺りんご~」

「僕レモーン」


蒼はりんご好きだから、りんご選ぶと思った。

空くんがレモンってちょっと意外。


てっきりいちごミルクかと思ってた。


夕哉くんはみかん、水月くんはミントをとった。


「北斗くんは、どれにします?」

悩んでいるようだったから、声をかけた。


「んー……」


顔をしかめて、本当に迷っている。


「北斗~、飴くらい悩むなよ」

「そうなんだけど…俺は蒼と違って優柔不断っていうか…」


ブツブツ言ってる北斗くんが、ちょっと可愛かった。


「いちごミルク!」

やっと決まって口にしたのが、まさかのいちごミルク。


「え、意外…」

だから、思わず声に出してしまった。


「いーじゃん、いちごミルク。甘いし」


「千来~、北斗はけっこう甘党だから」

驚いているあたしに、夕哉くんは教えてくれた。


「…甘党なんですね…」


可愛すぎる…!!